はんこの製作工程
はんこの製作工程
手彫り印鑑の製作工程をご紹介します。ご注文をいただいてからメール、FAX等でデザインの確認をしてから次の作業へ取り掛かります。(お急ぎの場合は、この工程を省くこともあります。) お急ぎでない方は、印影デザインの確認(校正必要)を選ばれることをお勧めいたします。印相体と篆書体で希望等要望欄にご記入頂ければ対応致します。
布字
印材(写真は柘)を細やかに点検した後、目の細かい紙ヤスリで印面を丁寧に修正します。朱墨を塗り、骨筆を使い下書きをし、墨で清書します。はんこを作製する上で最も大切な行程ですし、時間もかけます。
荒彫り途中
太さの違う数種類の印刀で朱墨の部分を丁寧に彫っていきます。書いた文字をこわさぬように慎重に丁寧に作業を進めます。
荒彫り終了
荒彫りが終わった状態です。
墨うち
紙ヤスリで表面の墨を落とし、印面を整えた後、墨打ちを行います。
印面磨き
ここで当店ではイノシシの牙を使い印面を丁寧に磨きます。この一手間をかけることでより肉ばなれがよくきれいな捺印が可能となります。(柘や白檀等の場合)。
象牙や黒水牛のような牙や角の印材は下の写真のようにきめ細かい砥石を使い印面を磨きます。これにより印面がツルッとなり鮮明な捺印ができます。仕上げの前の状態
イノシシの牙で磨いたことにより印面が光っているのがおわかりかと思います。
仕上げ途中
仕上げ刀を使い、一点、一画まで心を配り、文字の勢いや流れを表現していきます。はんこに命を吹き込む作業です。
仕上げ完成(補刀)
試しに捺印をして、線質やバランス等を確認し、少々手直しをして完成です。
捺印
朱肉を軽くたたくような感じでまんべんなく朱肉を馴染ませます。印マットの上でゆっくりと「の」の字を書くように丁寧に捺印します。
美しい「印」を構成する三要素
「字法」
字法とは間違いの無い字、正しい字の組み合わせを使う法のことです。印章の書体には起源や決まり事などがあり、間違いの無い正しい文字を使用しなければなりません。
「章法」
字画の多い文字や少ない文字、またお客様のご希望などを考慮しながら「印」の全体の配字に偏りがなく、バランスよく布字することです。
「刀法」
書体の個性を引き出す法。筆字がかすれや、にじみによってその強弱や運筆の速さ、個性を強調するのに対して、「印」においては「刀」の切れ味だけで勢いや流れを表現します。
印判師として一人前になるには、最低でも5~8年かかります。
今も日々この三要素の研究を重ね、少しでも皆様に喜んでいただける印鑑彫刻ができるよう自身の技術向上に努めてまいります。
彫刻道具
①発色やのりがいい高価な朱肉
②朱墨
③朱墨用の黒水牛の角で作られた硯
④字割の際に印材を安定させる板
⑤文字の配列を決めるディバイダー
⑥配字の下書きをする骨筆
⑦荒彫り用の刀
⑧仕上刀